鎌倉琴社   雜記録 2005


2005年2月13日


日本琴學の前駆者、東洋音楽の権威、故岸辺成雄先生の「お別れの会」が2月13日午後5時、東京都千代田区内幸町1の1の1、帝国ホテル「孔雀南の間」で行われました。それに先立ち関係者のみの「告別の儀」が行われ、上野学園音楽資料室の福島氏などにより弔辞が述べられました。数百人もの人々が参集し、いかに先生の人望が厚かったか、改めて知らされました。
先生が日本の伝統音楽に残した功績は大きなものがあります。その影響は計り知れません。先生の『唐代音楽の歴史的研究』(上下)はまさに日本音楽の源流を探る著作であり、またアジア全体にも渡る音楽の原点的研究です。近日中に『続巻』(楽理篇、楽書篇、楽器編、楽人編)が刊行されます。先生は続編の刊行を見る前に旅立たれてしまいましたが、先生はこの世での仕事をすべてやり終えたのだと思います。
棺には『江戸時代の琴士物語』と『著作目録』が納められたと聞きました。岸辺先生は彈琴する人ではありませんでしたが、先生が奏でた無絃琴はこの世に永遠に響くことでしょう。
二五〇年続いた東皐心越道統の琴學は昭和の初期に絶音してしまいましたが、数年を経てオランダ人のロベルト・ファン・フーリックによって再び琴學は日本に伝わり、日本の琴學復興は岸辺先生よりここに始まりました。先生の琴に対する思いを我々は受け継がなくてはなりません。先生がいつも耳にしていた「琴韻」を奏で続けなければならないと思います。
先生のご冥福を心よりお祈りいたします。



『唐代音楽の歴史的研究』












中国芸術院教授、琴人王迪女史の詩

岸辺先生永く千秋に垂る
中国と日本は、帯の幅の距離を隔てて近くあります。
両国の源は遠くその流れは長いものです。
争いや恐れもありましたが、友好を結んでおります。
先生の功労とその人徳は真に量り知れないものがあります。
先生の著作は中国と日本に連なります。
百代にもわたり長くその芳しい功績は残るでしょう。
千万言をついやしても語り尽くすのは難しい。
時代を超えたその偉業は忘れることはできません。





書斎で琴を弾ず岸辺先生





雑記録 2004


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