ジェンダー学講座

1.女子高生とテレクラ

 テレクラは、一九八五年に登場した。この年は、男女雇用機会均等法の公布、NTT民営化、レディコミの創刊 などがあった年だが、新風俗営業法の施行が直接的なテレクラ登場のきっかけとなったようだ。その中の、「夜の一二時以降の風俗店の営業の禁止」と言う項目「夜の一二時以降の風俗店の営業の禁止」と言う項目が繁華街、歓楽街の風俗営業店に大きなダメージを与え、またエイズによる死者がでたことも風俗離れに拍車をかけ、テレクラは風俗店の生き残りのアイディアとして生まれた。NTT民営化で登場したオフィス用多機能電話を使って、女性からかかってきたコールが複数の個室の電話機で一斉に鳴り、一番早くとった人につながる、早取り制とよばれるシステムになった。フリーダイヤル0120を使い女性がただでかけられるようにしたことも画期的で、女性が利用するときは、街で貰ったポケットティッシュやレディコミの広告に書かれているフリーダイヤルを使った電話番号に電話するのだが、男性は、来店型の場合は、1時間3000円(伝言ダイヤルは5000円)くらいかかる。見返りとして、性行為を期待していると思って間違いないようだ。93年には、全国で900以上になったそうである。
 近代国家成立における国民化の歴史は、ジェンダー化の歴史だ。女性には、家庭の中の母親と言う地位を与え、結婚以外のセックスは認めず、一方で男性は公娼制度で売春を認めるという歴史の流れが、軍隊にとっての従軍慰安婦の必要性を納得させる。揺るぎない「理想の家庭」とセットである公娼制度。その延長戦上の風俗営業は、法を変えても規制しても、需要がある限り、科学技術の応援で、ジェンダー化された女子高生を商品化する。
 「挨拶をきちんとする」・「明るくさわやか」「話題が豊富」「相手が今何を考えているか素早く察知する」「エッチな話しはさりげなく」「あいてのことをしつこく聞かない」「自分の話ばかりしない」「年齢は大幅にごまかさない」「すぐに会おうと言わない」。 以上はテレアポ成功の秘訣と、狭い個室の壁に張ってあるそうである。女性が「テレクラ」に電話をする理由は、暇だから、さみしいから、話し相手ほしさ、気まぐれ、だそうである。ターゲットは、家庭からも学校からも相手にされなくなった女子高生像が浮かび上がってくる。 文責 羽山圭子(市川北分会)

参考文献
『高校・性教育の全貌』より

2.セクシュアル・ハラスメント リーガル・リテラシー編


 ことばだけはずい分普及したおかげで、件数も増えた。今までは、「口に出すのは恥」「胸の中にしまいこむのが日本女性の美徳」などと、封印されてきたものが、徐々に、実は人権侵害であったと認識されるようになり、告発する人が増えてきたせいだと思う。
1985年女性差別撤廃条約の批准以来、「ジェンダー」と言うことばのグローバル化で、男女雇用機会均等法21条(労働者)、人事院規則10―10(国家公務員)の制定を受け、教育現場では1999年3月「文部省におけるセクシュアル・ハラスメントの防止に関する規定」「セクシュアル・ハラスメントの防止等のために文部省職員が認識すべき事項についての指針」が出され、そして、1999年4月に文部省教育助成局地方課より県教委に対して、「公立学校における性的な言動に起因する問題の防止について」と言う通知が出された。女性差別撤廃条約が「教育において、性別固定観念を解消し、男女の役割分担意識を解消すること」を義務つけているのをうけて、人事院規則10―10ではセクハラの定義を「他のものを不快にさせる職場における性的な言動および職員が他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動」、また文部省は、性的言動を「性的な関心や欲求に基づく言動をいい、性別により役割を分担すべきとする意識に基づく言動も含み、職場の内外を問わない」と定義している。教育現場において、ジェンダーに基づく言動もセクハラとしてあつかわれる可能性があることが明記されている。さらに、対象は、職員、生徒から非常勤講師、保護者、関係業者まで広く及んでいる。
 これによって、県教委・管理職は、問題が生じた場合は、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。それを怠ると、国家賠償法に基づく"使用者責任(民事)"が問われる。すでに、地方自治体が責任を負った判例があり、また現在、杉並区のPTA会長が東京都知事(代表 石原慎太郎)に対して、元校長からのセクハラの被害に対しての処分の不服と、救済申し立てによって受けた二次被害、事件の隠蔽と元校長擁護に対して、訴訟を起こしている。元大阪府知事に続いて、東京都知事もセクハラ関係(使用者責任)で罪を問われるのか、興味あるところである。裁判の傍聴をおすすめする。(第2回公判1月28日東京地裁)
…しかし、「セクハラをしてはいけない」と言う文言はどこにも見当たらない。「しないように注意する」という文言にとどまっているせいか、その処分の量刑は不透明で、特に千葉県教委は被害者の保護と言う理由をつけて加害者名を公表しないとか(9/20新聞紙上)、加害者が管理職の場合、口頭による謝罪(のようなもの)で終わりにしようとするケースが多く、泣き寝入りしている女性が多いと聞いている。市川支部アンケートに寄せられた深刻なケースは、口頭で謝罪したあと、「セクハラと言われて心外である」とうわさを流され、深刻な二次被害にあっている人がいる。文書による謝罪をもとめ、二次被害を防ぐしかないことは明白である。ほかにも、支部アンケートに出てきたものは深刻で、裁判をすれば勝てそうなものがたくさんあった。
 私たちは、これらの法律や通達を頼りに、県教委(県)にセクハラの対応を迫ることができる。セクハラ相談窓口が機能し、セクハラが適切に処理されるためにはどうすればいいのか、3月の支部女性部学習会にきてほしい。文責・羽山圭子(市川北分会)